ギョロメちゃんのハロウィーンアルバイト 15

宅配便の配達員、短期アルバイト中のギョロメちゃん。お客様のヴァンパイアに引き留められています。

ヴァンパイアが、たて琴を弾き始めようとした、まさにその時、ギョロメちゃんのスマートフォンが鳴り出しました。

ルルル、ルルル…

ギョロメちゃんはヴァンパイアに断って、電話に出ます。

ギョロメ「はい! ギョロメです。ウサギさんですね?」

ギョロメちゃんウサギ『そうそう、僕だよ。紹介したパンプキン便の仕事は順調かな?』

ギョロメ「おかげさまで! 何かご用でしょうか?」

ウサギ『僕も宅配便を頼みたいんだ。正確には、頼まれごとなんだけどね』

ギョロメ「分かりました! すぐに伺います。どちらに行けば…はい、あ、そうですね。はい、分かりました。それでは、また後で!」

電話を切ったギョロメちゃん。

ヴァンパイア「新しいお仕事かな?」

ギョロメ「はい! 島根県から東に戻る途中、鳥取県で瓶詰めの、らっきょうを買いすぎた神様がいて、荷物が多くなって困っているそうなので、お手伝いに行きます!」

ヴァンパイア「島根県…? あー! そうか、日本だと10月は出雲に神様が集まるんだよね!『みんなは神無月だけど、出雲だけ神在月だよ。神様、大集合1か月スペシャル!』だよね~」

ギョロメ「…テレビの特番みたいなネーミングですね」

ヴァンパイア「神様のサミットでしょ? リモートじゃなくて、リアルで集まるってすごいよね~」

ギョロメ「はぁ」

ヴァンパイア「忙しいところ引き留めちゃって、ごめんね。長々とありがとう」

ギョロメ「いえいえ、こちらこそ。楽しかったです。トマトジュースごちそうさまでした」

ヴァンパイア「出雲方面なら、西の窓から飛んでいった方が早いよ」

ギョロメ「ありがとうございます。パンプキン便、またのご利用をお待ちしています!」

ギョロメちゃんは西の窓から飛び去りました。

ヴァンパイア「…さてと」たて琴を置いて、のびをしました。


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