小説家の話、昨日の続きです。
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3 小説家は家に帰り、男からもらった万年筆にインクを入れた。書き心地も良い。
小説家「そうだ。さっきの男を話に登場させよう」
男について思い出そうとしたが、スーツを着ていた以外、どんな顔や声をしていたか何も思い出せなかった。
小説家「煙のように消えてしまった男…。これで、行こう!」
そして、小説を一晩で書き上げた。
翌日、担当の編集者が原稿を受け取りに来た。いつもは待たされるのが常なのに、原稿はすでに封筒に入れてあった。小説家は早くも続編を書いている。
『魔法の万年筆』で書き上げた小説は飛ぶように売れた。文学賞を獲り、映画化も決まった。他の出版社からも、次々と執筆依頼が舞い込んだ。
小説家「この万年筆さえあれば、いくらでも書けるぞ」
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明日に続きます。
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