「なんて悲しい話だろう」子どもの頃、初めて読んだ時の感想です。病院の待合室にあった絵本です。表紙も人魚姫の絵柄も忘れてしまいました。けれど、最後のページだけは覚えています。海の泡でした。
……嵐で難破した船から王子を助け出した人魚姫。海に戻っても人魚姫は、王子に会いたくてたまりません。そこで魔女と取引して、美しい声と引き替えに人間の脚を手に入れます。王子のそばにいられるようになったものの、自分が助けたとは伝えられません。
王子がおぼれかけた後、浜で偶然通りがかった女性がいました。王子は彼女を命の恩人と勘違いして、結婚します。人魚姫は思い叶わず、海の泡に……。
ディズニーはアニメ映画「リトルマーメイド」で、お約束のハッピーエンドに仕立てました。途中で声が出なくなってしまうヒロインにも関わらず、ミュージカルとは大胆な映画化ですね。また、大人向けシリーズの先駆けとなった作品でした。
原作は悲しい結末ですが、見方を変えれば「人魚姫の恋は叶わなかったけれど、好きになった王子を助けて、彼を幸せに導いた」のかもしれません。もし王子や、偶然通りがかった女性が主人公なら、これはハッピーエンドなのですね。
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