
彼女には、すでに子どもがいました。幼い娘コゼットを宿屋の主人に預け、故郷の工場で働きはじめました。あるとき、娘の存在が知られて解雇されます。生活に困ったファンティーヌは、髪を売り、歯を売り、しまいには身を売りました。抱えていた病気が悪化して、若くして、あの世に旅立ってしまいます。
原作を再読して「金髪だったのか!」と驚きました。落ちぶれていく様子は、まさに蟻地獄。ミュージカル映画でファンティーヌを演じたアン・ハサウェイのイメージが強かったのです。彼女の髪は茶色です。歯を抜くのも映画では奥歯ですが、原作では上の前歯2本。
昨日描いたトロミエスは「歯が抜けていて、頭もはげかかってた」。対してファンティーヌは「歯を抜く羽目になり、髪を短く切らなければいけなかった」。対照的ですね。