ピーターと狼

本日、東京都北区の「北とぴあ」にて、ポーランドの人形アニメーション、スージー・テンプルトン監督「ピーターと狼」を観ました。ロシアの作曲家・プロコフィエフの音楽劇に、アニメーションを付けた作品です。コンサートだったので、アニメを見ながら、音楽はオーケストラ生演奏でした。
前半はモーツァルトの交響曲と、アニメーションの解説。メイキングも紹介してもらったのですが、人形の他、背景のセットも全部ミニチュアで手づくり。ストップモーション(コマ撮り)・アニメーションと呼ばれる方法で、制作に160人で、3年かかったそうです。
お恥ずかしいことに、今まで「ピーターと狼」の曲自体を知りませんでした。いま、ネットでざっと調べた限り、子ども向けクラシックでは定番のひとつで、ディズニーも1964年にアニメーション映画化していたそうです。
作品を観ながら、人形アニメということは脇に置いても「これは日本では作らないだろうな…」とつい、思ってしまいました。子ども向けなら、リアルな顔立ちではなく目が大きいマンガ風で、色遣いもカラフルにするかもしれません。しかしながら、周りの子どもたちはそんなことは気にせず、面白いドタバタ劇の場面で笑っています。私もあと25歳若ければ、同じ反応をしたことでしょう。
アニメを観終わった後、カフェでお茶をしました。そして、バスに乗って帰るところ、「ピーターと狼」のパンフレットを持った母娘に出会いました。きっと私と同じで、どこかでお茶してきたのでしょう。少女の表情からアニメに満足した様子が分かりました。
ふと、「同じように1本見ただけで満足できる、子ども向けアニメ作品って今の日本にあるかな?」と、思いました。今、劇場で公開されているのは、テレビ放映シリーズの劇場版か、ディズニー、位かもしれません。最近はマンガ原作でもアニメ映画化を通り越して、実写映画化の方が多いですね。そもそも純粋な子ども向けがずいぶん減ったように感じます。
アニメーションは子ども時代に憧れた分野でしたが、手描きはあまりに減ってしまった事と、どうやら子ども向けというより、固定ファン向けになってしまったので、将来を考える上で選択肢にはありませんでした。と、いうかCGさえできれば、個人でもバリバリできるということを学生時代に目の当たりにして、カルチャーショックを受けました。
…まあ、ビッグになって原作者としてアニメ化してもらうしかないですね、これは(笑)。そんな夢物語の前に、まずは仕事に励みます。
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