銅版画なので、現物を手に入れようと思えば、お金さえあれば可能なのですね。歴史の名画は、保管や展示を考えたら美術館や、きちんと管理できる方々にお願いした方がいいです。しかし「メランコリア」はいつか手に入れてみたいです。
なぜなら、デューラーは最も好きな画家のひとりだからです。絵は写実で、柔らかな美しい雰囲気はなく、かなり硬質な描き方をしています。服なんて洗濯糊がバリバリきいていそう。
好きな理由は、技巧のすごさに加え、絵に対する自信にあふれているところです。そして、研究熱心でした。自画像を多く描いたことでも有名なデューラーですが、自身をキリストに似せるなど、大胆なチャレンジをしています。サインにはイニシャルのAとDを組み合わせたデザインを使用しています。ロゴやサインの重要性を感じていたのかもしれません。
「メランコリア」は「憂鬱」の意味です。色々なアイテムが画面に散らばっていて、それぞれに意味があると言われています。しかし、それ以前に、エングレービングの技法、ビュランの精緻な彫りが、この版画の魅力ではないでしょうか。
この絵の右下に座っている天使のイラストをデフォルメ版ですが、以前に描きました。
![メランコリア_天使_イラスト](http://blog-imgs-66.fc2.com/k/a/i/kaigakan/141101_melancholia_angel01.jpg)
ちなみに、この天使は女性だと、どこかで読んだ気がします。しっかりした体つきなので、男性に見えなくもないですね。