めんどりの雑貨屋

今日は…というか、今日も「少年と少女」シリーズです。


カランコロン。ドアのベルが鳴ります。男の子がやって来たのは、街で人気の雑貨屋さん。店主は、めんどりです。

男の子「僕が頼んだボタン、届いている?」

めんどり「ごめんなさいね。まだなのよ。でも、今日あたり届くかもしれないわ。そろそろ配達の時間なの」

カランコロン。郵便屋の小鳥が配達にやって来ました。「お待たせしました。今日のお届け物は…ボタンです」

男の子「僕のだね? やったぁ!」

めんどりは荷物を受け取り、品物を確認してから、男の子に売りました。注文したボタンは、ちょっと珍しい舶来品です。

男の子が髪飾りを手作りするのに、素敵な飾りを探して、めんどりの店を訪ねたのは、ついこの間のこと。お小遣いには限りがありますが、外国製のボタンならば、手が届きます。

男の子「ねえ、小鳥さん! ちょうど良かった。彼女へのプレゼントの包みには何色のリボンが良いと思う?」

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カランコロン。そこへ新しい客がやって来ました。女の子です。男の子は買ったばかりのボタンの包みを、女の子は持っていた紙箱を、それぞれ隠します。

男の子「…やぁ、こんにちは。…こんなところで会うとは思わなかったよ。ぼ、僕は買い物を済ませたから、どうぞごゆっくり。…じゃあ、またね!」と、逃げるように帰りました。

めんどり「いらっしゃい。何か、お探しかしら」

女の子「…あの、この箱に合う包装紙か、ラッピング用品を探しているんです」

めんどり「そうねぇ。ちょっと待っていてね」と、品物を選び出すために、女の子に背を向けました。

女の子「あら、小鳥さん。サプライズで贈り物って難しいわねぇ…。そうだ! 彼へのプレゼントの包みには何色のリボンが良いと思う?」

小鳥はまったく同じ質問をさっき聞いたなと思いつつ、ちょっと考えてから答えました。


私は雑貨屋が好きで、よくのぞいています。さすがに店主がめんどりの店は、お目にかけたことがないです。

さて、小鳥がオススメしたリボンは何色なのか、次回以降のお楽しみに。
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