からかさお化けの夏 13

昨日の続き。お化け屋敷の管理人ウサギより、シャボン玉を吹くようにお願いされた撮影係の獏。



獏「ウサギ君、こんな感じかな?」と呼びかけた後、思わず小声でつぶやきます。「それにしても奇妙な光景だ・・・」

ウサギはずいぶん下がって、両手で枠を作りました。「うんうん! 良い感じだよ。まるでヴァニタス画だね!」

獏「えっ、何だって?」

ウサギ「この世の儚さを表現するヴァニタス画だよ。大昔にヨーロッパで流行ったんだ。頭蓋骨にシャボン玉は定番のアイテムさ! 脚が絶妙だね」

獏「はぁ・・・」

ウサギ「そうだ、このセットを撮影可能スポットにしよう! お客さまが撮った画像にハッシュタグをつけて、SNSで拡散してもらうんだ! 獏君、素敵なセットを組んでくれてありがとう」

獏「僕は何もしていないよ。控え室に戻ってきたら、天井から脚がぶら下がっていたんだ」

ウサギ「えっ!!」

獏「しかも、さっきから脚が動いている気がするんだ・・・」

ウサギ「それは、気味が悪いねぇ」
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