メッケネムを意識して銅版画を観たのは初めてです。私は、同時代のデューラーが好きで、これまでデューラーの作品があると、そちらばかり観ていました。今回の展示にも多数のデューラー作品がありました。メッケネムは多くのコピー作品を制作したそうです。オリジナル作品と、メッケネム作のコピー作品が並べて展示されていました。デューラーの作品も、メッケネムがコピーした「オリジナル」として展示されているものが多かったです。
面白いのは、コピー作品にメッケネムらしさが透けて見えます。特に顔立ち。なので、仮に作家名を伏せられて、サインが見えない状態で「どちらがオリジナルで、どちらがメッケネムのコピー作品でしょう?」と訊かれたら、かなりの高確率で当てられそうです。
解説パネルにありましたが、非キリスト教的、世俗的主題の方がメッケネムの本領が発揮されています。クスッと皮肉な笑いが似合います。
イラストは銅版画で使用する彫刻刀ビュランを持った自画像です。
ビュランは最も古くからある技法、エングレーヴィングで使用します。身近なところでは、お札の肖像部分です。今回の展示はエングレーヴィングが大半でした。展示の中身から話はそれますが、最近の美術展は、俳優の音声ガイドが有料オプションであり、グッズ付きの前売り券、記念グッズが土産物としてズラッと…が、良くある光景です。
しかし、メッケネム展は違いました。一般的な前売り券の販売もなく、グッズは図録のみ。
メッケネムは商売が上手だったようなので、セット販売を前提にした版画シリーズも制作していました。本人が展示会をプロデュースしたら、一体どんなグッズや、版画を用意したことでしょう。
→国立西洋美術館|メッケネムとドイツ初期銅版画 ~2016/9/19(月)





2016/09/16
2016/09/18








