星新一「声の網」

「こんなのはどうでしょう。各人それぞれの、親しい友人の誕生日のリストを作っておく。その日に自動的に、当人に知らせるというのは。〈きょうはあなたのお友だちの、だれだれさんの誕生日です。ちょっと電話をなさり、お祝いの言葉をおっしゃったらいかがです〉と通知してあげるわけです。友人としての結びつきが、より親密になり、生活に楽しさをもたらすでしょう」

まるでSNSのFacebookにあるサービスですね。友達の誕生日をアプリケーションソフトが丁寧にお知らせしてくれます。私も友人に誕生日メッセージを送り、自分の誕生日にはメッセージをいただきました。

けれども、冒頭の一文は「ネット」ではなく「電話」とあります。それは、まだインターネットが普及していない1970年に書かれた作品、星新一「声の網」だからです。

舞台はメロン・マンション。電話1本でいろいろな情報を得ることができ、メモ代わりに、健康管理に、銀行の入金に、人生相談に、とまるで現代のネット社会を見透かしているような筋書きです。

そして電話にかかってくる、謎の声。固定電話なので、受話器を上げるまで相手も分かりません。

小説を読み終え、いずれ現実世界でも、謎の声から電話がかかってくるかもしれないと本を閉じました。もしかしたら、スマートフォンの音声認識、秘書機能ソフトがすでに、小説における謎の声かもしれません。

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