ホワイトデー・マジック〈前編〉

今日は「少年と少女」シリーズです。バレンタインデーの続きです。


カランコロン。めんどりの雑貨屋で、ドアのベルが鳴りました。明日はホワイトデー。店にやって来たのは、男の子です。

男の子「何か特別なラッピング用品はないですか?」

めんどり「いらっしゃい。それなら、ピッタリの相談相手が今、いらっしゃるわよ」160313_whiteday_magic_sq01店主の声に振り向いたのは、シルクハットを被ったキツネでした。赤い蝶ネクタイが襟元を飾っています。

キツネ「やぁ、初めまして。驚かせたり、楽しませることは、私におまかせを!」

めんどり「マジシャンなのよ。あちこちで、マジックを披露しているわ」

男の子「…もしかして、バレンタインデーに、公園でマジックをしていませんでしたか?」

キツネ「よくご存じで! でも、君とは初めてだよね。一度会ったお客様の顔は忘れないのに。それで、何をラッピングするのかな?」

男の子は包みをキツネに見せました。「これです。明日はホワイトデーなので…」

キツネは指を鳴らしました。「そうか! あのレディの友達だね。ふむふむ、そうだなぁ…」

カランコロン。そこへ郵便屋の小鳥が飛んできました。

小鳥「本日の集荷に参りました。何かございますか?」

めんどり「ちょっと待っていて。今、とびっきりのお届け物を頼むところよ」


続きはまた明日に。

 
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