バレンタイン・マジック〈後編〉

「少年と少女」シリーズの続きです。


バレンタイン当日に待ち合わせた男の子と女の子。二人で喫茶店に入ります。

女の子「チョコレートケーキ一つと、紅茶を二つお願いします」

男の子「えっ、何でケーキ一つだけなの?」

女の子「…今日はバレンタインだもの」と微笑みます。

しばらくして運ばれてきたチョコレートケーキには、トランプが1枚ささっていました。

160214_valentine_magic01_sq02女の子「わぁ! 素敵」と手を合わせます。「これが『続き』なのね」

男の子「…どういうこと?」

女の子「さっき、大道芸をしていたマジシャンさんに『素敵な渡し方はないかしら』って、聞いていたの。チョコレートケーキを食べることは伝えたんだけど…。そうしたら『きっと、マジックの続きが見られるよ』って」

男の子「ふうん…(ずいぶん、気障なマジシャンだな)」

女の子「どの店で食べるとかまでは言わなかったのに。なんで分かったんだろう?」

男の子「そりゃあ…、近くで美味しいチョコレートケーキが食べられるお店はここくらいだもの。ねぇ、そうでしょ? ペンギンさん」

ペンギン「お褒めにあずかり光栄です。さあ、どうぞ召し上がって下さい。トランプはチョコレートなので食べられますよ」

女の子「美味しそうなトランプね」

男の子「バレンタインだから、僕が全部食べて良いんだよね?」丁寧にチョコレートのトランプをのけて、ケーキを食べ始めました。

女の子「もちろん! だって、私はずっと…」

男の子「何?」

女の子「ううん! 何でもない」と、はにかみます。

トランプはハートのA。男の子は最後にカードのチョコレートを食べました。


…去年のバレンタイン時期から話を書いている「少年と少女」シリーズ。気がつけば1年も経ったのですね。

トランプは英語でplying card、もしくはcard。トランプは切り札(trump card)の意味だそうです。バレンタインは日本でチョコレートを渡す日として定着していますが、本来は恋人同士や家族、友人とカードを贈ったりするそうです。なので、トランプとカード、ハートを交えた話にしました。

ハートのAは、切り札になったのでしょうか?

 

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