「CGを使っていません」とは

良く使われる言葉「CGを使っていません」。多くはアクション映画などで、実際に人が演じていることを指します。しかし、最新アミューズメントパーク広告や、不動産広告でも耳にしました。
厳密に言えば、デジタル映像なら、必ずCGは使っているはず。なぜって、色調補正や画像編集もCGなのですから。「いや、そんなことを言っているんじゃない」と、声が聞こえてきそうです。そう、世間一般でいわれる「CGを使っていません」は、「CG合成をしていません」の方がより的確なんじゃないでしょうか。
CGが登場する以前から、合成自体は頻繁に行われてきました。例えば、映像の「特撮」ですね。写真でも、代表的なのはマン・レイの「アングルのバイオリン」。
女性の背中をバイオリンに見立てた、マン・レイの代表作です。中央のf字孔は撮影後に写真(印画紙?)に描かれたものです。f字孔だけではなく、シルエットも手を加えているようです。今なら、CGで行っているレタッチ(修正)作業そのものです。
なお、題名の「アングル」ですが、新古典主義を代表するフランス人画家ドミニク・アングルです。ナポレオンを始め、多くの肖像画を描きました。バイオリンは実際に趣味だったそうです。肝心の腕前は、上手かった「玄人はだし」説、下手だった「下手の横好き」説の2通り聞いたことがあります。
さて、話を戻しますが、上記の写真を「なんだ! 合成じゃないか!」と、怒る人は今、いないでしょう。しかしながら、発表当時は、もしかしたら批判があったかもしれません。少なくとも写真の存在自体が「肖像画家の仕事を脅かす」として、アングルも反対派だったとも聞きました。
写真が問題視されたのは過去の話、CGは現在進行形ですね。「CGを使っていません」を聞くたびに、「そうはいってもCGにどっぷりつかって、生活しているのになぁ」と思います。TV映像も、近所のスーパー特売チラシも、CG抜きでは、もはや成り立たないでしょう。
このCG否定発言、何かに似ています。食品の「保存料・添加物を一切使っていません」。そう、問題は天然じゃないということなんでしょうね。そして新しい技術なので、CGに見慣れたといっても、やはり歴史を考えると、まだ目新しいものに反発があるのでしょう。
私は主に手描き派ですが、CG否定派では全くありません。むしろ、もっと理解してイラストに取り入れていきたいなと思っています。特に仕事用には重要です。さて、偉そうなことを言ってないで手を動かさないと、ですね。
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