パクリエイター

美術・デザイン分野において、困った出来事のひとつに「パクリ」があります。いわゆる、真似、模倣のことですね。手持ちの広辞苑には「真似」の意味はなく、「店先の品物などをすばやく盗み取ること。かっぱらい。まんびき」とあります。

真似そのものが悪いわけではありません。絵の勉強には、名画の模写や、実物に似せるデッサンが欠かせません。ただ、商品として販売する段階になって、他人が制作したものに「そっくりそのまま」は決してほめられる行為ではありません。

イラストだけに限ると、真似はずいぶん許容されています。エンタメ・サブカル系の「二次創作」は、今や「ファンアート」と呼ばれ、もてはやされています。ただ、これも本家の商売を邪魔しない、元々の世界観を傷つけないことが、二次創作するファンには求められる姿勢では、と思います。

デザイン分野になると、真似・パクリ問題は深刻化します。絵画やイラストと違い、どれが本当のオリジナルかどうか、客は見分けがつきにくいですね。本家が丹精込めたオリジナルデザインや商品を鼻先でかっぱらい、耳触りのいいネーミングをつけて、本家よりも広告宣伝に時間とお金が割ける場合もあります。時にはキャッチコピーまで、コピーキャット(猿真似)の場合すらあります。

山高帽_色鉛筆イラスト
商売では「売れたもの勝ち」という考えもあります。しかし、他人のデザインを参考にするならまだしも、そっくりそのまま流用して、時にパクった側が「オリジナル」と称しているのを見かけると、なんだか情けなくなります。「クリエイター」と呼ばれることが多くなったデザイナー達ですが、これでは「パクリエイター」です。

パクった物でも、そりゃ、しばらくは売れると思います。パクられるのは悔しい出来事ですが、デザイン・商品が優れているという証拠でもあります。ただ、長くは続かないでしょう。なぜなら、パクる側の発想と技術が貧困なので、そのような行為に及ぶのだと思います。犯罪の原因は貧困にあるとよく言われますが、芸術分野においてもそれは同じことなのかもしれません。メッキはいつか、必ずはがれるものなのです。

さて、二日続けて偉そうなことを言ってしまいました(笑)。自分が「パクリエイター」にならないためには、日々のスケッチが欠かせません。私は特定の宗教の信者という訳ではないですが、創造主たる神様は、本当に気前よく真似や模写をさせてくれます。やっぱり「クリエイター」の名前は芸術分野の人間ではなく、「ザ・クリエイター」の神様が一番ふさわしいです。
ワッフル_左手_イラスト_スケッチ_ペン

タグ
パーマリンクURL http://iroirokaigakan.com/2014/10/1055/

コメントをどうぞ!

※コメントは承認後に公開されます、投稿後しばらくお待ち下さい。

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)