不破留寿之太夫(ふぁるすのたいふ)

昨日、国立劇場にて、新作文楽の「不破留寿之太夫(ふぁるすのたいふ)」を観てきました。生まれて初めて見る、人形浄瑠璃こと、文楽。アニメーションに親しんだ世代としては、ライブアニメーションとでもいうべきでしょうか。人形劇は子どもの頃に川本喜八郎の「三国志」「平家物語」をテレビで見ていましたが、歴史ある文楽は初めて。

感想としてはまず、生で見るべきですね~。人形は人が動かしているのは分かっていても、次第に人形自体が動いているように思えてきます。演目はシェイクスピア原作の、少々変わり種。大酒のみで色好み、太鼓腹の中年男が繰り広げる騒動を描いたものです。

ただ、残念なのは一度見ただけでは、私には全部を理解することができなかったことです。喜劇なので、半分ぐらいは分かったのですが、古典芸能を見慣れていないせいですね。今度は古典の文楽を見て、理解を深めるといたしましょう。

面白いのは人形の造形です。自分が普段、デフォルメで人物を描くのは頭でっかちすることが多いのですが、文楽はその逆で小顔です。動かすことを考えたら、小顔で首が長い方が有利なのは言うまでありません。今回の「不破留寿之太夫」は新たに人形を作ったそうで、その顔のつくり、表情を見ているだけでも楽しい気分になります。

嬉しかったのは自分の好きなイギリス民謡「グリーンスリーブス」が使われていたこと。思いがけず、生の三味線で聴く機会を得ました。「グリーンスリーブス」もずいぶん歴史があり、シェイクスピア作品に出てくるほどです。

今回の公演を教えてくれた友人より教わったのですが、今度の舞台は古典文楽や歌舞伎が横に広いのに対して、オペラやミュージカルの様に縦長になっているそうです。そういえば、そうだった! 歌舞伎は何度か見たことあるのに、気づいていなかった。職業柄「キャンバスサイズ」は、気にしないといけないハズなのに(笑)

私はこれから年末に向けて、怒涛の鑑賞ラッシュが始まります。昨日の文楽を含めれば、すでに手元にあるチケット、案内状が9枚。仕事でも、私事でも「芸術の秋」を堪能します。
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